「病気や薬のことをもっと知ろう」シリーズ


2008.09.01

Vol.4 薬はどのように体内をめぐっているか④

今回は、お薬の「代謝」について説明します。
体内の薬物は、主として肝臓で代謝されます。これは主に脂肪に溶けやすい薬物を水に溶けやすい物質に変化させて、腎臓から尿としてあるいは胆汁中に溶けやすくして排泄しやすい形にすることであります。
具体的に説明すると、薬物分子はまず酸化または還元あるいは加水分解を受けて(第1相反応)、その生じた代謝物が、グルクロン酸や硫酸などと抱き合わされることにより(第2相反応)、水に溶けやすい形に変化し、そして尿中に排泄しやすい物質となり、尿と一緒に排泄されます。
薬物の代謝に関係する酵素の中で最も重要な酵素は、細胞のミクロソーム分画に存在する酸化酵素チトクロームP-450(CYP)があります。
大部分の薬物の代謝は、CYPによる酸化反応であります。この酵素にはいくつものタイプがあり、それにより代謝される薬物も異なります。
この酵素のタイプの中には、遺伝的な個体差(遺伝的多型)のあるものも知られており、そのため特定のタイプの酵素活性が著しく低い人がいます。そのような人には、その酵素によって代謝されるはずの薬物を服用した場合、代謝されにくいことから薬物の作用が異常に強く現れて、危険を伴うこともあります。
(大学前店 阪下春夫)


Posted by 大学前店

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